リーガ・エスパニョーラ(プリメーラ・ディビシオン)第30節
セルタ・デ・ビーゴ 1−0 デポルティーボ・ラ・コルーニャ
得点:62分 フェルナンド・バイアーノ(セルタ・デ・ビーゴ)
@エスタディオ・ムニシパル・デ・バライードス
主審:ウンディアーモ・マジェンコ(ナバーラ協会)
観衆:24,000人
「この状況を打開するために来た」
「選手達を信じているし、力のあるチームだと思っている」
「フットボールは簡単なものだ。考えてもみてくれ。試合は週末にしかない。1週間辛い練習をするよりも、90分間だけ真剣にプレーするほうが楽に決まってるじゃないか」
現役時代の数々の武勇伝よろしく、フリスト・ストイチコフは就任直後の3〜4日間で印象的なコメントを残してきた。
ハッタリなのか、本気なのか。能天気なのか、ただの楽天家なのか。セルタファンは弱冠猜疑心に溢れた目線を向けながらも、彼が現役時代に初めてバライードスに登場した時、試合開始から1分もたたないうちに当時セルタのゴールマウスを守っていたホセ・サンティアゴ・カニサーレスをあっさりと抜き去りゴールを決めた時のことを思い出していたかもしれない。
ヘタをしたらただの道化で終わりそうなシチュエーションで監督を引き受けてくれる人間がいなかったのかもしれない。もしくは本当に力を出し切れないでいるだけで、何らかの方法論は既に持っていたのかもしれない。
ただ、そんなことはどうでも良かった。週に1回、古ぼけた、しかしワールドカップが開催された小さなスタジアムに思いを馳せる何万人かのセルタファンにとっては、この1試合に勝ってくれさえすればベンチに座っているのがガリシア土産の魔女人形であったとしても構わなかっただろう。もっと言えば、降格さえしないのであれば、犬がプレーするのでも構わなかったかもしれない。
そんなやさぐれた気分で迎えた週末の日曜日。
ストイチコフとセルタはしっかりとその存在を見せ付けた。
規律の取れたプレッシング。菱形気味に並んだ中盤と連動して効果的にボールを引き出すFW。シュートコースを「まあまあ」切ってGKの手助けをするDF陣。安定したパフォーマンスで後方からチームを鼓舞するGK。
この日のセルタは恐らくシーズンベストの状態だっただろう。特にこれまでと違い、左サイドに固定されたことでグスタボ・ロペスは輝きを増した。2トップ気味に配置されたことでネネとバイアーノはお互いを補完し合うように連動した動きを見せ、尚且つそれぞれの特徴を遺憾なく発揮した。右サイドで先発したアントニオ・ヌニェスはこれまであまり出場機会に恵まれなかったことが間違っていたことを証明してみせたし、パブロ・ガルシアは優秀なメディオ・セントロであることを世間に再認識させた。
「これ以上望むことは何もない。期待通りにプレーしてくれた選手達に非常に満足している。試合を支配し、戦い、勝者の精神で対応した。勝とうという気持ちが伝わってきたし、何よりプレーを楽しんでいた。また、バライードスのファンにも感謝したい。今日の彼らの行為こそ、何よりもチームに必要だったものだ。試合開始から素晴らしい応援で我々を奮い立たせてくれた。ただ、1試合に勝っただけでは何ら意味がない。我々は今後1試合1試合を今日のように戦わなければならない。落ち着いて、集中して、来週のことなど考えていてはいけない」
ストイチコフ「監督」は試合後の記者会見でこのようにコメントし、試合に勝利した一定の満足を示したものの、しっかりと気を引き締めることも忘れなかった。
ここ10年間、セルタを率いた監督達は皆ある種の「哲学者」で「語り部」だった。ハビエル・イルレタゴジェーナ・”イルレタ”。ビクトル・フェルナンデス・ブラウリオ。ミゲル・アンヘル・ロティーナ。そしてフェルナンド・バスケス(ロティーナの後任にはラドミール・アンティッチも含まれるが…)。
ストイチコフも何らかの哲学は持っているのだろうし、恐らくそれなりの語り部ではあると思うけれど、ここまではっきりとした気持ちを伝えるタイプの監督はここ10年ではセルタにいなかったタイプである。ピッチの中には感情をむき出しにするアレンサンデル・モストヴォイやヴァレリー・カルピンがいたので、それでバランス的にはちょうど良かったのかもしれないけれど、この状況下になってしまっては中でも外でも感情をむき出しにできる環境も必要になるだろう。ベンチからピッチに至るまで死んだ魚のような目をしながら「地獄」に墜ちたあの時とは弱冠違う空気が漂い始めた。
「来週のことなど考えてはいけない」と監督には言われているが、敢えて考えてみよう。ラ・ロマレーダでのサラゴサ戦。監督はビクトル・フェルナンデスで、左サイドバックにはフアン・フランシスコ・ガルシア・”フアンフラン"がいる。ダイジェストで見る限り、数年前のセルタを見ているような爽快なサッカーだ。
その「過去の幻影」みたいなチームに、今のセルタがどう戦うのかが非常に興味深い。警告だのサスペンションだのといったことは考えずになりふり構わず戦ってくれるセルタが見れればいいと思う。冷静に考えてみれば、バブロ・ガルシアが出場停止でもイリネイがいるし、カノッビオが退場になったとしてもホルヘ・ラレーナが控えている。バイアーノが怪我をしてもバモゴやペレーラがベンチにはいるのだから。
何はともあれ、ホーム2勝目。残り8試合、死に物狂いで「闘って」こい。
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いくら自分の応援するクラブをテーマにしたブログとはいえ、毎日毎日「降格が」とか「次に勝ちさえすれば」とかばかり書いているのは気が重くなるので、たまには明るい話題を。
…というより、世間一般的にはこっちのほうがよほど旬の話かもしれないけれど。
2006-2007UEFAカップ準々決勝
| 第1戦ホーム | 合計 | 第2戦ホーム | 第1戦 | 第2戦 |
| レバークーゼン | 0-4 | オサスーナ | 0-3 | 1-0 |
| セビージャ | 4-3 | トッテナム | 2-1 | 2-2 |
| エスパニョール | 3-2 | ベンフィカ | 3-2 | 0-0 |
セビージャとエスパニョールはそれぞれアウェーに乗り込んでの第2戦。第1戦をホームで勝利しているとはいえ、1点差はヨーロッパカップの場合必ずしも有利とは言えないのは周知の事実。
その中できっちりと結果を持ち帰ってきたことは素晴らしいと言えるのではないだろうか。特にホワイト・ハート・レーン、エスタディオ・ダ・ルスはアウェーチームにとっては厄介なスタジアムなだけに尚更だろう。
特筆すべきはオサスーナの準決勝進出ではないだろうか。セビージャは既にUEFAカップを制しているし、元々「古豪」と言われるように力のあるクラブ。リーグ優勝経験もあるし、10数年前までは「古豪」ではなく「強豪」だったクラブなので、ここ3〜4年の結果はただの「復活」である。エスパニョールは力はあるのになぜか発揮できないクラブではあったので微妙なところではあるが、セグンダへ落ちることもなくずっとプリメーラで戦っているわけで、力がないわけではない。
オサスーナはそうではない。ほんの8年前まではセグンダAからセグンダBへの降格ゾーンすら目前に迫るシーズンを幾度となく繰り返してきたクラブである。ここ7年間はプリメーラにいるとはいえ、それでも2005年の6月までは10位以上の順位になったことがないようなクラブだった。
ミゲル・アンヘル・ロティーナが監督に就任してから徐々に力を付け始め、ハビエル・アギーレが花開かせたチームは昨シーズン、見事に4位でシーズンを終えて夢のような結果を手に入れた。
残念ながらチャンピオンズ・リーグ本戦への出場はならなかったものの、ヨーロッパカップ初出場で準決勝まで進出するのは並大抵のことではない。
準決勝の組み合わせは
エスパニョール − ヴェルダー・ブレーメン
オサスーナ − セビージャ
となり、昨年の覇者セビージャにオサスーナが立ち向かうという構図になる。これはどこが勝っても決勝が楽しみな組み合わせである。
これでチャンピオンズ・リーグはイングランド勢が準決勝に3チーム。スペイン勢が3チームと2カ国寡占状態のようになっているが、両カップ戦でたった1カ国だけ残ったブレーメンとミランが優勝したらそれはそれで面白いが、ミランが優勝というのは勘弁願いたい。
あのスキャンダラスなシーズンを乗り越えて、などとは思えないし、むしろ「なぜ彼らがここにいるのか」という違和感すら感じる。ミランのファンには悪いが、彼らが優勝というのは個人的に見たくない。
降格も含めてヨーロッパのサッカーシーズンは佳境を迎えている。各国で5月の末に笑っているのは、果たしてどのクラブだろうか。
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フェルナンド・バスケスを解任した後、後任監督を探していたセルタが白羽の矢を立てたのは、ブルガリア代表監督を3年間務めていたフリスト・ストイチコフだった。
ブルガリア代表選手として83キャップ、37得点。選手としては代表的な所属クラブとしてCSKAソフィア、バルセローナなどで活躍し、1994年にはバロンドールも受賞している。
ブルガリア代表のここ数年の成績はあまり芳しいものではなかったと記憶しているのだけれど、果たして手腕がどうなのかは気になるところではある。正直言って、ミカエル・ラウドルップのように監督未経験の人物を監督に据えるよりはよほどマシな選択だったのかとは思うが、必ずしも現時点でベストな人選だったのかどうかはどうしても疑問に思わざるを得ないところだ。
ビーゴのペイナドール空港に到着したストイチコフを直撃したインタビューでは、「チームの力としては問題ないレベルにあると認識している。自分自身も常に第一線で戦ってきたわけだし、セグンダに落ちたいサッカーのプロは誰もいないだろう。必ずこの状況を打開できると信じているし、そもそもこの状況から抜け出すために私はここへやってきた」と語るなど、威勢は相変わらずいいのだけれど、問題は今週末のダービーにどんな戦い方で臨むのかだ。
今日行われたストイチコフ指揮の初練習には、ビーゴの中心地からかなり離れているア・マドローア練習場に、なんと300人以上のファンが押しかけたらしい。練習後の記者会見でも、
「サッカーはとても簡単なものなんだ。ピッチに出て行き、楽しむ。平日に良い練習をし、日曜日にいいプレーをする。たったそれだけのことだ。今度の試合でもダービーかどうかは関係ない。毎試合同じスタンスで臨めば結果はついてくるものだ」
と発言。楽観的なのか自信過剰なのか微妙なコメントを残している。
どんなサッカーを展開させようとしているのか。
どんなプレーができるチームだと思っているのか。
ガリシア・ダービーでその一端が垣間見えるのかもしれない。
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リーガ・エスパニョーラ(プリメーラ・ディビシオン)第29節
レクレアティーボ・ウエルバ 4−2 セルタ・デ・ビーゴ
得点:27分 ヘスス・バスケス@PK(レクレアティーボ)
75分 ネネ@PK(セルタ・デ・ビーゴ)
85分 ロス(レクレアティーボ)
87分 ロス(レクレアティーボ)
89分 ネネ(セルタ・デ・ビーゴ)
92分 チェリ(レクレアティーボ)
@エスタディオ・ヌエボ・コロンビーノ
主審:不利アン・ロドリゲス・サンティアーゴ(カスティージャ・イ・レオン協会)
観衆:17,000人
結果だけを見るとどうしようもない負け方でも、実はプレー内容そのものは良かったりすることがサッカーではよくある。
この日の、というより今シーズンのセルタにもその話は当てはまる。だから一つでも歯車が合えばすぐに結果が上向きになるはずだと思うのである。
…ということを3年前のシーズンにも思い続けてセルタは「El infierno=地獄」と呼ばれるセグンダに落下していった。
ダイジェストを探し当てて見てみたけれど、ダイジェストとはいえ、確かに攻撃ではそこそこ効果的に攻めることはできているようだ。
ただ、守備がマズイ。PKの失点は不可解なやり直し判定があったりしたのでともかくとして、ロスの2点目、チェリの4点目はしっかりと体を寄せるなり、前段階でボールの出しどころに当たっていれば防げた種類のもの。「得点は少ないが失点も少ない」という状態は、上手くハマると上位に食い込めるが、得点そのものが滞ると勝ち点が伸びずに知らず知らずのうちにチーム全体にストレスが溜まり、グループとして間延びするということはあるのかもしれない。
小得点小失点で上位に食い込み欧州カップに進出し、次のシーズンで崩れて下位に低迷というこのパターンは降格したシーズンを思い起こさせる。
「あと10試合あるから残りで数試合勝てば大丈夫なはず」という根拠のない希望的観測だけが先行してズルズルと落ちていきそうな雰囲気も同じ。
どうしようもなくなって監督を解任し、直後に重要な試合が控えているとう状況も3年前とそっくりだ。
とうとう、クラブ首脳陣はフェルナンド・バスケスを解任した。バスケス自身は「チームを救うことができるはずだとずっと信じていた」と最後にコメントしたようではあるけれど、状況的に何かを変える必要があって、選手を入れ替えられない以上は監督を代えるしかないのは世の常であろう。
ただし、絶望的な気分にさせられるのは後任監督がまだ決まっていないという事実だ。以前から来シーズンは監督交代という線が既定だったようではあるから新シーズンに向けた人事は進めていたのだろうけれど、果たして今シーズン中のこの状況は想定していなかったのだろうか。さすがに噂に上がっていたミカエル・ラウドルップをこの状況下で監督に据えるわけにもいかないだろう。
とにかく、守備。守備が何とかならないことにはいくら点を獲っても勝ちきれない。残り数試合という状況でダービーが来る。
ここで負けたらどうなるのかと思うとゾッとする。
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リーガエスパニョーラ(プリメーラ・ディビシオン)第29節
サラゴサ 1-0 バルセローナ
アトレティック 1-0 バレンシア
さーて、いよいよヤバくなってきました、セルタ・デ・ビーゴ。
土曜日に行われた2試合の中で、チャンピオンズ・リーグに向けて主力を温存させたバレンシアにアトレティックが見事に勝利し、暫定的に降格圏を脱出。代わってセルタが今のところ降格圏内真っ只中になっている。
今日行われる29節で、セルタはレクレアティーボのホーム、ヌエボ・コロンビーノに乗り込んでアウェー戦を戦うことになるが、果たしてここで勝利を収めることができるだろうか。今日の試合でセルタより勝ち点1差で上に付けるレバンテがベティスと対戦するため、ここでセルタが敗れてレバンテが勝ち点を上げると一気にセルタは苦しくなる。
恐らく今日の試合が降格を占う重要な一戦になるはずである。
ということはこんな外国のブログに指摘されるまでもなくセルタの監督フェルナンド・バスケスや選手達はわかっているらしく、グスタボ・ロペスは地元紙FARO DE VIGOの取材に対し、以下のようにコメント。
「少なくとも10試合残っていることは常に考えておかなければならないし、その全てが決勝以上に重要な意味を持つ試合になる。ホームでの勝ち星が今後を占うことになるわけで、そのために毎試合勝ち点3を獲得するプレーをすることが最も重要だ。チームとしてのプレーはここ数試合高いレベルにあるが、勝ち点を取れなければそれは一切意味を成さないものになる。尚且つ今は"降格圏まであと1ポイント"という状態だ。だからいいプレーだろうと悪いプレーだろうと、プレー内容に関係なく勝ち点3を獲得することが最低条件になることは間違いない。個人的には全てをかけて試合に臨み、勝ち点3を持ち帰らなければならないと思っているが、それはリーグ全体を通して誰もが思っていることで、能力の高い選手達が山ほどいることもわかっている。だから試合には集中して臨み、試合中に何が起こっているのかを常に把握しておかなければならない。最も重要なことは負けないことでもあるわけだが、これから対戦するチームも昨年の我々のようにいい順位に付けており、彼ら自身の試合に向かい、結果を求めてくるだろう。
だから、我々がすべきことは常に100%の力で試合に向かい、自分達自身の可能性を失わないように集中し、チャンスを確実にモノにして、尚且つ自分達のゴールを守るということだ」
ここで面白いのはコメントを求められているのが試合中にキャプテンマークを巻いているGKのホセ・マヌエル・ピントではなく、グスタボ・ロペスであるという点だ。
ピントは確かに昨シーズンのサモーラを獲得し、今シーズンもそこそこいいプレーを見せていて、以前に比べれば遥かに素晴らしいGKになってはいるのだけれど、いかんせん口下手だし迸る気合みたいなものが伝わってくる選手ではない。顔つきやファンに対する姿勢、ファンからの支持などを考えてみると、明らかに「キャプテン然」としているのは誰がどう見てもグスタボ・ロペスであり、地元紙のFARO DE VIGOの記者もそれがよくわかっていることが伺える。
感傷的な話としてはグスタボは来年あたりで引退の可能性が非常に高いわけで、そうなるとセルタファンとしてはせめてセグンダではなく、プリメーラのチームとして彼の引退を飾ってやりたいと思う。感傷的な話を抜きにした場合も、さすがにさっさとセグンダに逆戻りするのは真っ平ゴメンというところ。
幸いにも今節はカノッビオが鮮烈に復帰するというニュースもあり、戦力的にはまずまずの状態ではあるようだし、ここいらで気持ちよく勝ってベティスがレバンテを破ってくれることを期待したいものである。
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このブログ自体がセルタの話題を主とし、尚且つ書いている自分自身がスペインばっかりしか見ていない関係でヨーロッパの他国リーグに関しては極端に疎く、尚且つ見ていないためこういう場合でもスペイン勢のみの結果を追うことになることは敢えて申し上げたい。
まあ、前置きはともかくとして。
2007年度UEFAカップ準々決勝の4試合計8チームのうち、スペイン勢は3チーム。クルブ・アトレティコ・オサスーナ、セビージャ・フッボル・クルブ、レアル・クルブ・デポルティーボ・エスパニョール・デ・バルセローナである。
オサスーナはアウェーでレバークーゼン。セビージャはホームでトッテナム。エスパニョールもホームでベンフィカと対戦した。
結果的にはオサスーナが0−3で勝利。セビージャも2−1で勝利。エスパニョールも3−2で勝利と3チーム共に第1戦を勝利したことは素晴らしい。
6日付けのMARCAではEspaña domina la Copa de la UEFA (スペインがUEFAカップを牛耳る)と銘打って3チーム同時の勝利を称えているわけだが、各試合のダイジェスト映像を見ると、オサスーナは完勝。セビージャもまあまあ納得のいく勝利。エスパニョールが弱冠打ち合いっぽい接戦だったが許容範囲の試合内容というところ。
ここ10年くらいの間にスペインのクラブがヨーロッパカップで上位に食い込んでいるのはもはや当たり前のような風景にもなっているが、所謂ベスト8まで来て、そこに残った全チームが勝利を挙げるというのは久方ぶりではないだろうかと思う。
確か99−00シーズンのチャンピオンズ・リーグでは準々決勝でバルサ、バレンシア、マドリーあたりが勝ち残ったはずだけれど、バルサとバレンシアが対戦した結果、決勝がバレンシア対マドリーというカードになったはず。…記憶がおぼろげだけれど。
もっとも、今年のUEFAカップで3チーム全部が準決勝進出を果たしたとしてもどこか1つは負けるわけだからこんなことを言うのもあまり意味はないのかもしれない。
■UEFAカップ2000-2001シーズン
UEFAカップといえば最も印象的だったシーズンは00−01シーズンである。この年はとんでもない年で、スペインからはセルタ、エスパニョール、アラベス。そして何とフェア・プレー枠でラージョ・バジェカーノが出場しており、さらに3回戦からはチャンピオンズ・リーグで敗退したバルセローナも参戦し、3回戦ではスペインのクラブが5チームも試合を行っている(エスパニョールのみ3回戦で敗退)。
古くからのリーガ好きの間、特にこの99年頃〜2001年頃にかけての当時にスペインに滞在していたリーガ好きの間で伝説になっているのが4回戦である。スペイン勢の対戦カードは以下の通り。
| 第1戦ホーム | 合計 | 第2戦ホーム | 第1戦 | 第2戦 |
| AEKアテネ | 0−6 | バルセローナ | 0−1 | 0−5 |
| シュツットガルト | 1−2 | セルタ・デ・ビーゴ | 0−0 | 1−2 |
| アラベス | 5−3 | インテル | 3−3 | 2−0 |
| ラージョ・バジェカーノ | 6−0 | ボルドー | 4−1 | 2−1 |
…なんだかおかしなスコアが2つほどある。バルサがAEKアテネに圧勝しているのはわからないでもないが、アラベスとボルドーは明らかにおかしい。結果的にアラベスが決勝でリヴァプールに敗れ、日本で決勝のテレビ解説をしていた現FC東京監督の原 博美が感激のあまり涙を流したという話は有名らしいが、この年のUEFAカップの真髄はまさにこの4回戦と準々決勝にあった。
アラベス対インテルの一戦はスペイン国内でもアラベス不利という見方が大勢を占めており、見ている我々としても、「まあせいぜい気合だけは見せてこいや」みたいな部分が多かった。
試合当日のことは今でも覚えている。翌日にセルタの試合があったので深夜バスでビーゴに向かおうと思い、友人と近所のバルで飲んだくれていたところ、どっかの誰かが店主にラジオを付けろと言い出した。住んでいた場所がカスティージャ・イ・レオン州のサラマンカという街だったので、恐らくビトーリア出身のアラベスファンはいなかったとは思うのだが、相手がインテルということもあり皆でチビチビやりながらラジオに耳を傾けていた。
ハビ・モレーノがアウェーでの貴重な先制点を叩き込んだはいいものの、直後にレコバに同点とされ、さらにビエリに追加点を奪われ後半開始からすぐの時点で1-3。さすがにアラベスではこれをひっくり返すのも難しいだろう、いや相手はイタリアのチームだ、同点にすらできないだろうよ、とあちこちで声が聞こえてきたその瞬間、テジェスが1点差に迫るゴールを決め、しかもあろうことか3分後にはイバン・アロンソが同点ゴールを叩き込んでしまった。
同点ゴールが決まった瞬間、誰もアラベスファンなんかいないはずの店内が恐ろしい轟音を立てて雄たけびの坩堝と化し、BGMにラジオのアナウンサーがかすれる声で必死に「アラベス同点!同点!同点!同点!同点!同点ンンンンンンン!!!!!」と絶叫する声が流れていたことは死ぬまで忘れないだろう。
なお、準々決勝ではそのアラベスとラージョ、バルサとセルタが当たり、アラベスとバルサが勝ち抜け。準決勝ではマカリスターのPKに沈んだバルサを尻目にカイザースラウテルンを2試合合計9-2という狂ったスコアで葬ったアラベスが決勝に進んだ。
結果はリヴァプールに敗れたのだけれど、今でもあの時のアラベスがUEFAカップで準決勝まで着用していたピンク色のユニフォームを買っておけば良かったと悔やむ瞬間がある。
この時のアラベスで主力だったハビ・モレーノ、コントラはその後ミランへ。ジョルディ・クライフも確かエスパニョールに移籍し、準々決勝でヒーローとなったイバン・アロンソもすぐにいなくなってしまった。
今年のUEFAカップの話からだいぶズレた話にはなっているが、ビッグクラブが競い合うチャンピオンズ・リーグは確かに壮大でロマン的な大会でもあるのだけれど、各国の中位くらいのクラブしか出てこない(以前は)UEFAカップでは時たま00-01のアラベスみたいな「奇跡」のようなチームが現れる(当時のマネー監督の手腕も大きいけれど)。
ちょうど今は桜の季節。UEFAカップでスペイン勢が3つ残っていることと、今日仕事で訪れた街に咲く儚げな桜を重ね合わせて、ちょっと昔のことを思い出した。
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そりゃあ言うよ、そりゃあね。だってボール半個分でしょ、これ。
サッカーのルールブック「得点」の項には、試合における得点は、「ボールが両ゴールポストの間と、クロスバーの下でゴールラインを完全に超えた時」に認められると規定されている。
誰がどう見たって超えてるだろ、これは。
まあ、今更言ってもどうしようもないことなのだけれど、これは指摘しておくべきだろうと思ったのでYouTubeから引っ張って来ました。
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リーガ・エスパニョーラ(プリメーラ・ディビシオン)第28節
セルタ・デ・ビーゴ 1−2 レアル・マドリー
得点:27分 ファン・ニステルローイ@PK(レアル・マドリー)
44分 アンヘル(セルタ・デ・ビーゴ)
82分 ロビーニョ(レアル・マドリー)
@エスタディオ・ムニシパル・デ・バライードス
主審:ペレス・ブルール(カンタブリア協会)
観衆:22,000人
MARCAの試合詳細記事の題名は「いつものようなやり方でリーガにしがみつく」。
「ロス・メレンゲス(レアル・マドリーのこと)はいつもの自分達の「プレー」に賭け、バライードスのピッチで、再び明らかに相応しくない勝利をあげることになった。」
とまでMARCAに書かれるのは相当酷かったのだろうけれど、スペインの各種個人サイトや掲示板で垂れ流されているようなこのマドリーの勝利を「泥棒」呼ばわりする真相は明らかではない。
もっとも、自分がWOWOWにさっさと加入して試合を見れば済む話なのだけれど、なぜか積極的に加入するための動きを取らない自分もいたりする。
…そんな個人的なことはどうでもいい。
とにかく、新聞記事から読み取れるのはセルタのプレーが以前に比べれば遥かにマシだったことと、そのおかげでマドリーよりも程度の良いプレーに終始し、「いつものような」マドリーのザルディフェンスを引っ掻き回しまくったということである。
どうやらネネのヒールパスからのアンヘルのゴールは素晴らしいものだったようなのだけれど、なぜか突然、MARCAのダイジェスト映像が「地域的且つ法的な理由で」外国からのアクセスを拒絶するというフザけた事態になったため、ゴールシーンすら見れなくなってしまったので確認のしようがない。
ちなみにフランスやアルゼンチンに住んでいるというスペイン人達からMARCAに対し怒りの書き込みが殺到していたのだけれど、MARCAはどう対応するつもりなのだろうか。注目したい。
とにもかくにも、である。
これでセルタは3連敗。最低でもいくつか勝ち点は取っておかなければならないはずだ、と以前のエントリーで書いたと思うのだけれど、結局バレンシア、セビージャ、白い虚燼と続く3連戦ではただの一つも勝ち点を取れなかった。
ただし、驚くべき事実は9ポイントを取るべきところがゼロだったにも関わらず、それでもまだセルタが降格圏の外に(ギリギリながら)いるということではないだろうか。
なにしろ、ホームのバライードスでは11試合に渡ってリーグ戦での勝ち星が無く、今月の4月15日で最初で最後のホーム戦勝利をあげたバレンシア戦から丸6ヶ月を迎えることになるのである。
それでも、ブラジル人MFネネはマドリー戦を振り返り、「ホームで戦った試合の中でベストな試合の一つだった。最も重要なことは、ポイントを上げられなかったことよりも、降格圏付近を抜け出すためのきっかけを掴めたことだ」とコメントしている。
次節の試合は対レクレアティーボ。これまでの様々なことを全く無視して考えれば、勝てない相手ではない。
…はたして。
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