このスポーツナビの記事で触れているのは故意にイエローカードを受けたりしてそれまでの累積警告を清算するということが、比較的スペインでは寛容に受け入れられることが多いということなのだけれど、片側ではこんなことも平気で要求したりすることがある。
■ライカールト監督、ロナウジーニョの出場停止に関する上訴を要求
累積警告数が一定以上になると自動的に定められたルールに則って出場停止になるというのは恐らくプロのリーグが運営されていたり、まともな大会であればプロ・アマ問わず万国共通のことではあるはずなのだけれど、スペイン(だけには限らないかも知れないが)ではしばしばそれが覆されることがある。
長くリーガエスパニョーラを見ていたり、多少なりともヨーロッパサッカー界の闇の部分に興味があっていろいろと情報を仕入れたりしている方であれば、この要求がけっこうな確率で通るかもしれないと思うのではないだろうか。
どういう基準になっているのかさっぱりわからないけれど、スペイン・スポーツ規律委員会(Comité Español de Diciplina Deportiva)はビッグクラブに甘い組織なので平気でこういった要求を通してしまう可能性がある。
そうでなくともスペインだとゴネ得がかなり露骨な形でまかり通ることが多いので、この結果には注目してみたい。
別に僕はバルセローナがこういった要求をすることに対して怒りを覚えているわけではない。ただ単に呆れているだけである。バルセローナ市民がこのことに対してどう感じているのかは現地にいるわけでもないし、知り得ようが無い部分ではあるのだけれど、仮にこれが通った場合にはどんな反応が出てくるのかは興味がある。
「Més que un Club=いちクラブ以上の存在」
と自負しているフッボル・クルブ・バルセローナ。恐らくこの上訴を実際に行って、仮にそれが通った場合、彼らはまさに単なるクラブの枠を超えた形でスペインサッカー全体に大きな二つの借りを持つことになるだろう。
一つはもちろんリーグ戦終盤にワガママを押し通してベストメンバーを無理矢理出場させたこと。
もう一つは誰もが忘れそうになっているリーグ戦での暴動(に近い騒ぎ)を起こしたことによるカンプ・ノウの2試合使用禁止処分の延期問題。
もちろん、これはバルサだけに限った話ではない。レアル・マドリーも同様か、もっと露骨な闇の一面を持っている。オリンピック国内候補地選出の論議に乗じた借金返済のトリックなど、マドリーもかなりイヤラシイことはしているわけで、リーガエスパニョーラの2強と言われるこれらのクラブ達が、どこまで自分達のエゴを貫き通すのか、リーグ戦の行方と共に注目してみたい。
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