他のヨーロッパの国ではどうなのか、それは詳しくは知らないのだけれど、とりあえずスペインでは一般的にサッカー選手の契約は7月1日から翌年の6月30日までが一つのサイクルとして認識されている。
ということはつまり、今月が新しいシーズンの始まりということになり、チームの始動となるわけだ。
今日、7月18日にセルタは練習場「ア・マドローア」に契約を結んでいる各選手を集合させ、セグンダとしてのシーズンをスタートさせた。
召集されたのはコパ・アメリカに出場したチリ代表のコントレーラス、ウルグアイ代表のカノッビオ、U-20ワールドカップに出場したメキシコ代表Sub-20(U-20のスペイン語)のカルロス・ベラの3名を除いた以下のメンバー。
リチ、ロベルト・ラーゴ、ホナタン・ビラ、第3GKとして登録される可能性のあるセルヒオのカンテラ組、ピント、エステバン、アンヘル、プラセンテ、レキ、ジャーゴ、ジョージ・ルーカス、ロベルト・ソウサ(サラマンカからのレンタル復帰)、オウビーニャ、ヌニェス、ネネ、イリネイ、ホルヘ・ラレーナ、ハビ・ゲレーロ(レクレアティーボからのレンタル復帰)、ヘスス・ペレーラ、そしてフェルナンド・バイアーノ。
なぜかこの中には、このオフシーズンに唯一移籍してきたペテル・ザネフの名前がない。
移籍といえばネネにはヘタフェ。オウビーニャにはサラゴサ、バイアーノにはレバンテとヘタフェ、そしてマジョルカからそれぞれ非公式な獲得の打診が来ているものの、現実的にまともな交渉になりそうなのは今のところはネネだけのようだ。アンヘルにも当然移籍の噂があるにはあるが、発展しているという話は今のところ聞こえてこない。
今日の集合後、軽い調整を行った後に新ユニフォームのお披露目を行い、明日の午前中はメディカルチェック。その後はトレーニング・キャンプを行うメルガソ(恐らくポルトガル)へ向かうことになる。
新たなシーズンの始まりと言えば聞こえはいいが、セグンダのシーズンであることを考えればさしずめ「地獄の釜の入り口」とでも言うべきか。
その一方でこんなこともあった。
■"Mi corazón siempre será celeste"
記事のタイトルは「自分の魂は永遠に空色だ」。少なくともそれなりの期間をセルタファンとして過ごしてきた人達なら、こんな台詞を吐くのがどこの誰なのか、そんなことは言わなくてもわかるだろう。
ウソか本当かわからないけれど、ストイチコフが「自分は彼に対して来シーズンも戦力として考えていると言ったが、彼はもうセルタではプレーしたくないと言った」とコメントしたという情報もあった。
個人的な意見を言わせてもらうが、彼がセルタ・デ・ビーゴというクラブでプレーした8年間全てを見てきた人間として、そんなことを言うはずがない。ストイチコフがコメントしたとされている上記の言葉も、ひょっとすると誰かが恣意的に作文したものかもしれないわけで、おいそれと信じるわけにもいかない。
8年間クラブに忠誠を誓い、「人生で最後の試合を、このユニフォームを着て迎えたい」と公言し、ビーゴで生まれた娘にチームカラーの”空色”を意味する「セレステ」という名前を与える程にセルタとビーゴを愛したグスタボ・ロペスの最後の記者会見は拍手で締めくくられた。グスタボ自身が愛したムニシパル・デ・バライードスの記者会見場ではなく、ホテル・ロス・エスクードスというクラブとは全く関係のない場所で。
「お金の問題だと言う人達が誰なのかを言うつもりはないし、もう一度繰り返すけれどお金の問題でクラブを去るのではない。交渉の進め方が正当なものだったと思えないのは今も変わらないし、それが違った方法であれば結果は必ず違っていたはずだと今でも思っている。…自分の心の中は今でも空色に染まっているし…それが全てだと言いたい」
チャンピオンズ・リーグに出場した時にも、ホームのガリシア・ダービーで粉砕されたときにも、降格した時でさえ涙を見せなかったグスタボ・ロペスが涙を堪えて会見するのを見て、僕はようやく彼が本当にいなくなるのだと実感した。
不思議なものだとつくづく思うのは、ファン心理というのがいかに捻じ曲がったものかということだ。
ビーゴではもちろんのこと、遠く離れたこの日本でさえ今回のグスタボ・ロペスの退団を残念に思い、クラブ側の対応に憤りを感じている人達がたくさんいる。そしてグスタボの会見やコメントを見て、もう無理だと分かっていながらそれでもまだ何とかして残ってもらえないかと思っている。
それでも、どれほどグスタボの退団を残念に思い、クラブに怒りを抱こうとも、セルタが今年一年でプリメーラに戻って欲しいと願っている。会長か、スポーツ・ディレクターか、それとも監督か。今回の騒動の引き金を引いたのが誰なのかは、本当はもうどうでもいいのかもしれない。選手達がそうであるように、クラブの幹部でさえ、セルタ・デ・ビーゴというクラブが存在し続けるための人柱に過ぎないのかもしれない。
恐らくそうなのだろう。僕達セルタファンはこの4年間でもう既に多くのものを失ってきた。アレクサンドル・モストヴォイやヴァレリー・カルピン、ヘスーリやエドゥー、ベリッソやカセレス、そして今回グスタボ・ロペスを失っても、一月もすれば何事もなかったかのようにシーズンを迎えてクラブの勝ち星を願う日々を過ごしてきたのだから。
ありがとう、そしてさようならグスタボ・ロペス。僕達はきっと永遠にあなたのことを忘れない。
Gracias y adiós Gustavo López.No te olvidamos para siempre.
5週間後。地獄の釜の入り口で、アンダルシアの曲者コルドバが戦いの火蓋を切って落とす。
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