■El Celta pierde 5.000 abonados por el descenso
セルタ、降格により5,000の年間チケットを喪失
「ソシオ」という言葉が日本にも輸入されて久しいが、ソシオにもいくつか種類があることはあまり知られていないのではないだろうか。もっとも、詳しい人はいくらでもいるし、知っている人も当然いるはずだとは思うけれど、多くの人は知らないことのほうが多いだろう。
日本のサッカーファンに「ソシオ」と言うと、大抵がF.C.バルセローナのソシオ制度を思い浮かべるだろう。つまり、「クラブに対して個人が出資し、会長選挙の際に投票権があり、尚且つスタジアムに自分の席が年間通じて確保されており、クラブから一般のファンとは違った優遇措置が得られる」というようなイメージ。
このバルセローナのソシオ制度は、バルサが株式会社ではないから成立しているものであり、それがバルサのバルサたる所以というか、F.C.バルセローナというクラブのブランド価値を高める役割を担っている部分があるとも言えるかもしれない。
株式会社化されていないクラブは他にもあるけれど、バルサほどソシオの発言権が強いクラブはそうはない。
株式会社化されているかどうかを見分ける一番簡単な方法は、スペイン語の正式名称を見ればいい。
Futbol Club Barcelona
Real Madrid Club de Futbol
Club Atletico de Madrid S.A.D.
Real Club Celta de Vigo S.A.D.
Real Betis Balompie S.A.D.
などなど。つまり、「S.A.D.=Sociedad Anonima Deportiva(スポーツ株式会社)」という商号が付いていなければそのクラブは株式公開されていないということになる。
S.A.D.、つまり、株式会社として運営されているクラブの場合どういうことが起こるかと言うと、会長選挙などを行うとなった場合、一般の企業体と同様に株主でなければ基本的にクラブの運営に対しては発言権が無いことになる。ファンは単なる「消費者」「エンドユーザー」「購買者」であり顧客であって、「身内」ではない。あくまでも理論上、ルール上の話だけれど。
こういった株式会社化されたクラブのソシオというのは「Socio Accionista=ソシオ・アクシオニスタ」「Socio Abonado=ソシオ・アボナード」「Abonado=アボナード」の三種類に分かれていることが多い。これらを総称して「ソシオ」と呼ぶ。
ソシオ・アクシオニスタとは、その名の通り、「Accion=株」を保有している者。つまり株主であり、クラブの出資者となる。
ソシオ・アボナードは株を保有する株主でありつつ、尚且つ年間チケットを購入しているもの。株主優待のような形で一般者よりも優遇されて席種を選ぶことができたりもする。
アボナードは単なる年間チケット購入者。それ以上でも以下でもない。こうして分けて書いてみると、一番程度が低そうに見えてしまうが、実際には恐らくどのクラブもこのアボナードの割合のほうが比較的高いだろうと思う。
セルタの場合は年2?4回、株を購入する機会がクラブから案内され、バライードスの「Oficina de Accionista=株主事務所」に行くと購入手続きを行える。一般にアナウンスされるよりも数日早いタイミングでアボナードには通知されるので、クラブとしては今で言う所謂「敵対的買収行為」を防ぐ意図もあるのだろう。スタジアムに毎試合来ているファンにアナウンスするわけだから。
僕は住んでいた頃はアボナードだったので、クラブから電話が来て株の購入依頼を受けたのだが、国外に持ち出せないこと、価格が1株10万ペセタ(当時のレートで8万円)、最低10株単位からということで、当然お金も足りなければ数ヵ月後には帰国することにもなっていたので丁重にお断りした。
バルサやマドリーのような8万人収容のスタジアムがほぼ毎試合満員同然になり、テレビ放映権料も莫大で、尚且つマーチャンダイジングによる収入も全世界規模でもたらされるクラブではない、「普通の」クラブにとって、重要な収入源は「アボナード」からの年間チケット収入だ。いつ購入されるかわからないものを毎週待つよりは、シーズン開幕前に多少割引して1シーズン分支払ってくれる顧客を囲い込むほうが経営的には楽に決まっている。
セルタはそのアボナードが今年5,000人減ったという。前回の降格時には13,572人だったアボナードが今回は13,601人。開幕前には15,000人を目標にしていたというから、目論みは外れたと言うところだろう。今シーズン新たにアボナードとなったのは1,149人だそうだが、その66%は26歳以下の「若年割引」が適用される世代。つまり、発表はされていないが、実質的に年間チケット収入は減ったと見るべきかもしれない。
3年前に逆戻りした感もある現在のセルタの経営状況。この3年間の教訓を今後どのように活かしていくのか。もともとアボナードの80%がビーゴ市民。13%がビーゴのあるポンテベドラ県内、残りがスペインの他州と外国だったことから、「降格」を理由にアボナードを辞めた5,000人のうちの80%もビーゴ市民だったという計算もできる(少々乱暴な計算だけれど)。クラブの出方次第では来シーズンさらに厳しい状況に追い込まれてしまうかもしれない。
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